LOUIS VUITTON Tambour Q131G 文字盤足折れ修理

ルイヴィトン タンブールの、文字盤がずれてしまったとのことです。

ヴィトンのロゴの位置がおかしいですね。
文字盤に付いている足が折れてしまうと、このように文字盤が回ってずれてしまいます。
ガラスの内側にある12個のダイヤインデックスはケースに固定されているので、時計が動いていれば時間の確認は出来ますが…。

裏蓋を開けてみますと、状態はそれ程悪くはありませんが、文字盤修理と併せてオーバーホールでお預かりです。

この部分(黄色丸印)が足。
反対側と2か所あります。
足は文字盤が動かないようにムーブメントに差し込んで固定されていますが、その足が離れています。
しかも両側2本共です。

文字盤の裏側です。
取れた足はまだムーブメントに差し込まれた状態です(黄色丸印)。
その足はここ(黄色矢印)に付いていました。

滅多には起こらない文字盤の足折れですが、折れてしまった原因としては落としたりぶつけたりしたことによる強い衝撃で、中のムーブメントや文字盤が動いてしまったことが殆どだと思われます。
ですが、思い当たる節がないとおっしゃる方もいらっしゃいます。
しかも細い足ですから2本共折れてしまうのは耐久性が問題では?と思われるのも分かります。
ただ全く使わなければ折れるはずはありませんので、やはりご使用になられていてしかも何年も経ってしまいますと特定するのは難しいかもしれません。
初めは片側だけ折れてしまい、暫くしてもう片方も耐えられずに折れてしまうという場合もありますので。

洗浄機でクリーニングを施します。
ラバーベルトは取り外して別にクリーニングします。

ステンレスの光沢も蘇りました。

文字盤は動かないように固定します。
足を立て直したり接着等、方法は幾つかありますが向き不向きがあり、時計によっては修理不可の場合もあります。
修理不可能な場合には、メーカー修理による文字盤交換になります。

オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉じて完了です。

無事元通りになりましたね。
時間は掛かってしまいましたが、大変喜んでいただけました。

実はコチラのオーナーさん、一度メーカーに修理に出されたそうです。
ところがそのメーカーさんに断られてしまったとのこと。
メーカー修理では当然文字盤交換になる訳ですが、どうもその文字盤がパヴェダイヤセッティングだった為に、恐らくその高額過ぎる費用からか修理受付を断られたということです。
そして他の修理店でも全て断られてからのご相談でした。
それにしても偽物とかでしたら分かるのですが、確認してはいませんが直してくれないんでしょうかね…。

今回のご修理は文字盤交換が出来ない場合の修理対応でした。
ですから実際には新品のように元に戻った訳ではありません。
当然ですが、修理は完璧を目指して行うワケですが、ケースバイケースですがそうでない修理も行う場合も少なからずあるんです。
それでもオーナーさんにとっては、完璧より遥かにメリットがあると思うからです。
困った時の何とかではありませんけれども…、ご相談下さい。

作業内容 : オーバーホール、文字盤足折れ補修、脱磁、洗浄クリーニング
交換部品 : パッキン類
修理費用 : 25,300円(税込)