CORUM Admiral’s Cup 液漏れ

コルム アドミラルズカップの電池交換のご依頼でしたが、液漏れを起こしていました。

しかしコチラの時計の場合、問題は別のところにもありました。

それはサビです。
本体のネジ穴(写っていない裏蓋ネジも)が赤茶色に錆びていますね。
ネジは抜けなくなってしまったらアウトです。
拭き取りだけでは済まない場合、その他の作業もトータルで考えますとやはりオーバーホールが必要になってきます。
 
 

洗浄機でクリーニングを行い、それから錆除去を施します。
特にネジ穴の錆は、時間を掛けて落とさないと取り切れません。
18金のベゼルと竜頭の焼け(変色)は、元の色に戻りましたね。

 
 

ネジ穴を真上から見ると…。
ケースがガンブルー仕上げですので、穴のステンレスの地の色がはっきりと分かると思います。
ではこの小さい穴の奥までをどうやって取ると思います?
それは…、
企業秘密ですっ!?
 
 

液漏れを取り除き、オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉めて完了です。
 
 

電池が液漏れを起こしていた場合、お店によって対応が分かれるようです。
黙って電池交換だけで済ませてしまうか、或いは液漏れイコールオーバーホールのお勧めか。
ですが実際には拭き取りで済む場合も多少はありますから、3つのどれかになるとは思います。

ただコチラの時計のように液漏れだけがオーバーホールをお勧めする理由ではない場合もあります。
オーバーホールを勧められた際にはお店の方に何が原因かをよく聞いて、開けた時計を見せてもらえればよく分かると思います。
但し、あいにく混んでいたり技術者がその場にいないお店さんですと難しい場合もありますかね。

もしお預け時に見られなかった場合でも、今皆さんが見ているような画像を後から見せてもらえれば良いと思いますし、その後も安心して使用できるのではないでしょうか。
少なくともわたくしはそうしていますけどね。
 
 

作業内容 : オーバーホール、錆除去、洗浄クリーニング
交換部品 :  絶縁シート、パッキン類
修理費用 : 2 5 ,000円(税別)