OMEGA Speedmaster Mark-Ⅴ オーバーホール

オメガ スピードマスターの旧型デイデイトです。
TVスクリーン型と呼ばれるスクェアデザインが特徴です。
オーバーホールでお預かりしました。


開けてみると黒いゴムのパッキンがベトベトに溶けています。
1970年代頃の時計ですが、相当長い間手が入っていなかったのでしょうか。

その頃のゴムは材質が余り良くなく、この様にドロドロに溶けてしまったりします。

って言うことは、ひょっとして当時のパッキン!?

 


ケース、裏蓋、ブレスレット全てに錆が見られます。

そして巻真にもかなりの錆が。
竜頭もパッキンが全く効いていません。
コチラは両方共交換です。

 


ベトベトのパッキンは掻き出すしかありません。
触れるとくっついてすぐに周りもベトベトに汚れてしまいます。

プッシュボタンの内側も、汚れだか腐食だかわからない状態。
で、勿論プッシュボタンのパッキンもアウトです。

ゴム製のパッキンは全て交換です。

 


竜頭のパッキンは一体型なので、そのまま竜頭交換でOKです。

パーツは…、

まだ有ります!

 


洗浄機でクリーニング、錆除去を施します。

 


四角と言ってもムーブメントが丸いので、文字盤自体はやっぱり丸いワケです。

12時位置にあるのが24時間計、6時位置にあるのはクロノグラフの12時間計、9時位置は時計の秒針です。

そして12時を指している細い針、実は2本重なっています。
上の針がクロノグラフの秒針、下の針はクロノグラフの60分計で、上の秒針が一周すると下の針が1目盛進みます。

大きめの日付と曜日表示が、とても見易く良い感じですね。

時計は分かりやすいのがイチバンです。

 


オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を締めて完了です。

 


海外でも「T.V. MODEL 」とか、「TV Screen」とか呼ばれているようで、確かに昔のテレビのブラウン管みたいです。
ですが今はもうテレヒは液晶?有機ELパネル?ですからね。
いずれブラウン管なんて見たこと無い、知らないなんていうようになるんでしょうかね。

 

ところでコチラの時計、オーナーさんがお父様から譲り受けた物だそうです。
出かける時くらいにしか使用していなかったそうです。
しかし、もう既にオーナーさんの息子さんが狙っていらっしゃるとのこと。

幼稚園児の頃にはスウォッチを、小学生の今はGショックを着けているそうです。
お父さんと同じように時計がお好きなようですね。
素晴らしい教育方針です!?
三代に渡って時計好きが続くワケですから。
それはもう時計メーカーのイメージ広告そのものかもしれません。

まさに時代を超えて受け継がれていく、いや〜、羨ましい限りです。
でも、そういった物がひょっとして家族の絆も深めていってくれるのかもしれませんね。

いつまでも大切にお使い下さい。

 

作業内容 : オーバーホール、錆除去、洗浄クリーニング

交換部品 : 竜頭、巻真、パッキン類

修理費用 : 51,000円(税別)