ベル&ロスの自動巻きです。
動き出しても暫くすると止まってしまうのと、ねじ込み竜頭が締まらなくなってしまったようです。
この噛み合わせが上手くいかなくなると締めにくくなってきます。
そして最期には全く締まらなくなってしまいます。
大概は竜頭又はチューブの、或いは両方のネジ山が磨耗して起こります。
どちらもダメになったら交換になってしまいます。
そしてコチラの時計も全く噛み合わず、いくらやっても竜頭が飛び出したままの状態です。
よくここまで使われたものです。
チューブ、竜頭の交換はメーカー修理です。
竜頭を一杯に引き、時間合わせをおこなう時の状態です。
ところがよく見てみるとどうもチューブは、ケースにロー付けされています。
交換出来ないじゃん!!
本国フランス送りか、ケース交換かも!?
修理をお断りしようと思いましたが、使えるようになればということでしたので、逆転の発想でトライです。
そして出来ました!
先程と同じ様に竜頭を一杯に引いた状態です。
押せば竜頭はケースにピッタリとつきます。
もちろん1段目でカレンダーのクイックチェンジも出来ます。
普通の時計と同じですね。
チューブが全くダメでしたが、竜頭はまだ十分使えました。
ですので竜頭を生かして、先に取り付けてある巻真を短くした訳です。
見た目は全く変わりありません。
オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉めて完了です。
竜頭はオリジナルのままですので、交換した元の巻真を付ければまた元の状態に戻せますし、何時でもメーカー修理に出すことが出来ます。
でも出すか、出さないかはオーナーさん次第ですけどね…。
作業内容 : オーバーホール、留め金具修正
交換部品 : 巻真、パッキン類
作業料金 : 32,000円(税別)