OMEGA Seamaster Chronograph ブレス外れ

オメガ シーマスターのクロノグラフです。

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ブレスレットが外れてしまいました。
この時計はコマとコマの間にピンとパイプが入っています。
それが使用に伴う摩耗により、抜けてきてしまいます。
大概は一ヶ所抜けてくると、他にもアブナイところが見つかります。

 

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横から棒で押すと、スルスルとピンが抜けてきます。
あと3本は交換が必要に…。
ネッ、言ったとおりでしょ!

 

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汚れが溜まっているせいか竜頭がしっかりと締まりません。
それとは逆にエスケープバルブは固着して回りません。

また、クロノグラフのレバーの一部が外れていました。

 

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どうやらそのレバーの引っ掛かりが完全にズレてしまったようで、こうなってくるとオーバーホールでの修理になります。

察するところ、ベルトが外れ竜頭側から落とされたりして強い衝撃が時計本体に加わったといったところでしょうか。

 

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先程の駒のピンとパイプです。
左側が元の部品、右側が新しい部品。
見た目の差も歴然ですね。

 

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ブレスレットは洗浄機でクリーニング、錆除去を施して駒を繋げて出来上がりです。
バネ棒は錆が出ているので、オリジナルを交換します。

 

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竜頭はねじ込みが甘くなっており防水性能も低下していました。
今回交換しておきます。

昨年、オメガは部品の供給をストップしてしまいましたので、今後部品交換を伴う修理が難しくなってきます。
今のうち!?です。

時代の流れですかねぇ。

 

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ケースも洗浄機でクリーニングです。
汚れが溜まりやすい裏蓋のシーホースマークもスッキリしました。

 

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幸いムーブメントには他に異常はありませんでした。

 

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オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉めて完了です。

 

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時計の修理では、ただ不具合のあるところだけでは済まない場合が多々あります。

例えば今回のような外れた駒だけを直してお渡ししてしまうと、後日クロノグラフ不良で再修理になってしまいます。
或いはまたピンが抜けて、更に大きなダメージを与えてしまうかもしれません。

どういう修理を望まれるかは、そのオーナーさん次第です。

ですので、出来るだけ分かりやすくなぜその修理が必要なのかを説明出来ないと納得してもらえません。

ウチは出来ていますかねぇ?

 

修理内容 : オーバーホール、竜頭交換、錆除去、洗浄クリーニング

交換部品 : 竜頭、パッキン、ブレス駒ピン&パイプ

修理費用 : 53,600円(税別)