修理見積について FRANK MULLER 902QZ REL

フランクミュラー 902QZ レディースです。
電池交換でお持ちいただきましたが、ネジが一本外れません。(黄色矢印)

外したネジもご覧の通り錆で真っ赤(茶)ですね。
こうなっていると、もう電池交換だけでは済まなくなってきます。
オーバーホールでお預かりです。

なんとか上手くネジは抜けました!
しかし再使用出来るかどうか…。

錆はケースのネジ穴は勿論裏蓋、竜頭周りにも見られます。
洗浄機でクリーニング、それから錆除去を施します。

ところがその後に様々な問題が降り掛かって来るとは…。

洗浄機で洗っていると、なんとガラスがポロリ!
元々が接着ですから、劣化で接着が弱くなってくれば外れてしまいます。
まぁ、出来上がり後でなくて良かったですかね。

しかし洗浄後、今度は打ち込みで抜けないはずのコマのピンが抜けてしまいました!?
まぁ想定内…。

更に今度は、折角上手く抜けたネジがポキッ!?
マジですかぁ〜。

錆を落として、コマを直して、ガラスを接着し直して、ネジは造ります。
まぁダメ元のネジでしたので抜けただけでもラッキーと言う事で。
ハイ!何事にもポジティブ!?

オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉じて完了です。

オーバーホールは高いから、とお考えの方、いらっしゃるかと思います。
また、そもそも何をやってくれているのかも分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

簡単に言えば中の機械の汚れを取り除いて、きれいな油に差し替えることですが、実際にはご覧の通りただそれだけで済むことはあまり有りません。
事前に見積りを出したとしてもすんなりと終わらないことはよくあります。
ですから本音を言えば、掛かった分だけ修理代をいただけるのがいちばん有り難いのですが、そういう訳にもいきません。
でも一体いくら掛かるのか分からないのでは流石に困ってしまいます。
わたくしも頼む立場になってみればそう思いますから。

そうなってくると、オーバーホール代は安く設定して見積りで多めに部品代やら工賃でその分をカバーすると言うのも分からなくはありません。
でも、そうはしたくないので見積もりは最低限のギリギリで出しています。
そして他に掛かりそうな可能性があるものは、事前に説明させていただいています。
ただオーバーホール以外に掛かった分があっても多少のものは出来るだけ含めていますが、元々の時計の状態に起因する修理作業に関しては、ご説明して了解を頂くようにしています。
でないと良い仕事が出来なくなってしまうのがイヤだからです。

わたくしのワガママと言うか、細やかなお願いでもあります…。

作業内容 : オーバーホール、裏蓋ネジ新規造、ガラス外れ修理、コマピン抜け修理、錆除去、洗浄クリーニング
交換部品 :  パッキン類
修理費用 : 30,000円(税別)