形見の時計 SEIKO SCUBA 200m

先日、次男の時計の電池交換を頼まれました。
セイコーのダイバーズウォッチ、防水性も高く普段気兼ねなく使える時計です。


前回の電池交換が、「2013年12月」ですから随分持ちましたね。

 


電池を交換して汚れを取り除き、裏蓋を締めて完了です。

 


この時計、わたくしの父の形見の時計なんですね。
父が他界後わたくしも特に使う気もなく、そのままにしていました。
暫くして高校生だった次男に時計が必要になり、どんな時計が良いものかと考えていた時に、思い出したワケです。
綺麗な水色の文字盤が、当時着るものはブルーばっかりのブルー好きを公言していた息子にはピッタリかもと。

でもそんな時計を使うものかどうか、若者の好みに合うのかどうかちょっと迷いました。
ですがそれも取り越し苦労、あれから何も言わずに使い続けています。

昨年大学を卒業して就職する際には、社会人らしい時計でもと声を掛けたのですが、あっさりいらない、と断わられてしまいました。

ひとの好みはわからないものです。

 

実はペアの時計を、わたくしの母が持っています。

それは、母に当時勤めていたパートでも使える時計をと、元気だった頃の父がプレゼントしたものです。

しかし数年後、父は病に倒れ長期入院が見込まれました。
その時に病室で使用する時計にと、今度は母が結婚して初めてのペアウォッチを選んだのです。

時計は寝たきりの父の傍らで、病室の窓辺にちょこんと置かれて時を刻み続けていました。
それから3年後、結局父は一度も着ける事はなく他界してしまいました。

 

形見の時計には、人それぞれ少なからず忘れられないストーリーがあるものです。