TAG Heuer S/el バックル破損

タグホイヤー セルのバックル破損です。

P3123102aのコピー
元々ロー付けのところが剥がれてしまいました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
汚れが溜まって、その下で錆が発生してしまったようです。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
バックルとブレスレットを繋ぐ サイドから止めてあるネジが片方折れてしまいました。
これも錆による固着が原因です。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
チューブにも汚れ、そして錆が出ています。
どうも時計の状態はあまりよろしくないようです。

また、時間を合わせる際に竜頭の空回りが見られます。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
裏蓋を開けてみますと、ムーブメントは一見きれいに見えます…。
が、やっぱりでした。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
竜頭と巻真が錆サビです!

ちょっと巻真はヤバいです。
既に細くなってますもん。
これはもうアウトですね。

つまり巻真を竜頭から抜く時に折れてしまう可能性が大なわけで、こうなってしまうともう両方共交換で対応するしかありません。

一緒にオーバーホールもさせていただきました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
普段は隠れて見えないところに汚れが溜まっているのが判ると思います。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
なんとか部品の入手も間に合いました。

因みに洗浄機で洗っただけでここまで細くなってしまいました。(左側)
やっぱり折れそぉ~ッ!

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ケース、裏蓋は洗浄機でクリーニングです。
チューブの錆も落としました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
そして剥がれたバックルですが、結局繋がっていたもう片方にもひびが入っており、両側共ロー付けすることに。
折れてパイプに埋まってしまったネジを取り除き、取り付けをピンに変更します。
バックルの歪みも修整します。
経年劣化もあるとは思いますが、メンテナンスをせずに無理して使い続けてしまうと色々なところに負担が掛かってきます。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
バックルの閉まりもバッチリですね。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ブレスレットも洗浄機でクリーニングです。
黒ずんだ汚れも落ちてスッキリします。
バネ棒は劣化の為、交換します。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
また竜頭の空回りは、このツツミ車の歯先の磨耗が原因でした。(左側が磨耗した歯車、右側が新しい部品。比べると違いがよくわかります。ってわからない?)

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティングして、裏蓋を閉めて完了です。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
このセルシリーズも修理が多く持ち込まれるうちの一本ですね。
長く使われる方が多いからなんですが、20年以上の方、ざらです。

 

作業内容 : オーバーホール、バックルロー付け修理、取り付けピン加工、
         錆除去、洗浄クリーニング

交換部品 : 竜頭、巻真、ツツミ車、バネ棒4本、パッキン

作業料金 : 38,500円(税別)