ROLEX Ref.68274 ローター真修理

ロレックス デイトジャスト ボーイズサイズですが進むようになってきたとのことです。
今回で2本目のオーバーホールご依頼です。

ねじ込み式の竜頭が最後まで締まらず、隙間が空いてしまいます。
この状態ですと防水が効かない危険性大です。

ブレスレットの取付け部をカバーしているフラッシュフィット(FF)とケースの間にも隙間が出来ています。
更にブレスレットも伸びが目立つようになってきています。
汚れも溜っています。
大分使い込まれているのがわかりますね。

外装に比べてムーブメントには目立った汚れなどは見られませんが、ローターの擦れ跡が付いてます。
どうもローターの取り付けにガタが出ているようです。

ローターのガタつきで多いのが、ローター真(しん)の緩みです。
ローター真は、扇型のローターの中心にはめ込んで淵を専用工具でたたいてかしめて止めています。
このカシメが緩んでくると、ローターがぐらついてムーブメントに擦れてしまいます。
かしめ直しで直らないと、部品交換となり修理代がぐっと上がってしまいます。

溜まった汚れは洗浄機でクリーニングします。

これだけ汚れていれば竜頭も締まらないですから!

ハイ、竜頭もきれいスッキリ。
チューブへのねじ込みも問題ありません。

ブレスレットも駒の隙間が汚れで埋まっています。
手前のバネ棒は中のバネが抜けてしまい要交換です。
このバネ棒の歪みはフラッシュフィットの隙間が開いてくる原因のひとつです。

汚れが落ちて、駒の隙間が空いているのが分かりますかねぇ。

フラッシュフィットもピッタリ付いて、キレイになって甦りました。

ロレックスのご修理でローター真の不具合は、よくある修理のひとつです。
錆、焼付き、摩耗、そして取付けの緩み等…。
大抵は、しばらくすると止まってしまうとか振ると擦れるような音がするだとか、そんな症状が出てきます。
今回のオーナーさんの場合、症状はなく中を開けてみて分かったもので、偶然発見出来たようなものですからきっと運がいいかたなんですね。

あまりメンテナンスを先送りすると、こういったトラブルが出易くなりますから、皆さんも我慢はホドホドにしてだいぶ使って汚れが目立ってきたかなぁと思ったら、先ずは相談されてみてかかりつけ医を見つけておけば安心出来るっつーもんです。

しかも運が良ければ、更に修理代も安く上がるかも!?
か、どうかは分かりませんけどね…。

作業内容 : オーバーホール、ローター真緩み直し、FF修整、洗浄クリーニング
交換部品 : バネ棒、パッキン類
修理費用 : 29,000円(税別)