ダービー&シャルデンブランです。
竜頭が取れてしまいました。
この時計のウィークポイントかもしれません。
個性的なデザインの為に竜頭が引っ掛かり易いようです。
しかしムーブメントを取り出してみると巻真には錆が…。
錆の状態から、竜頭が取れて暫く時間が経っているようです。
さてこのブランド、まだ正式な代理店が見当たらないようです。
なので普通でしたら、取れた竜頭の代わりに他の竜頭を合わせて直します。
でも竜頭が無くなったワケではないので、出来ればなんとか元の竜頭を使えるようにするのが理想です。
しかしこの竜頭に残った巻真をどうやって取るか?
それが問題なんですねぇ。
で、なんとか上手く取り除くことが出来ました。
竜頭のネジ山もちゃんと残っていますね。
さらっと言ってますが、実はコレ、とぉ~っても難しいんです!
(注)全て可能なワケではありませんので、念のため。
更にケースに固定する為の機止め板にヒビが入っているのを発見!
危ない、アブナイ…。
新しい部品(下)と交換です。
キレイになったケースにムーブメントをセッティング、裏蓋を閉めて完了です。
先程の機止め板はこんな感じで溝に差し込まれて、下のようにネジでムーブメントが動かないよう左右2ヶ所で固定しています。
実はこの時計、2年前にウチでオーバーホールをさせて頂きました。
ですが去年は大雪でガラスの内側が曇り、今年は巻真折れと毎年何かしら用事があってウチにやって来ます。
どうもわたくしと相性が良いみたい!?です。
ところで今回のような場合の修理には、通常4通りの方法があります。
①メーカー修理になるので、お断りする。
ご自分で探して代理店やサービスセンターへ行ってもらう。
修理(時計)について、あまり詳しくない修理代行、取次店です。
②純正部品を取り寄せる。
今後益々メーカーからの部品入手は出来なくなっていくようです。
要するに普通の時計屋さんです。
③社外品の竜頭で合わせる。
知識と経験が必要です。
昔ながらの親切な時計屋さんです。
④元の竜頭を使えるようにする。
折れた巻真を抜くのは、その位置によっては非常に難易度高いです。
知識と経験と、更に技術とこだわりが必要です。
ここまでやってくれるところは本当の時計修理屋です。
作業内容 : 巻真折れ抜き修理、洗浄クリーニング
交換部品 : 巻真、機止め板
修理料金 : 18,000円(税別)