ポケットウォッチ 竜頭とれ

BERNEX というポケットウォッチの修理依頼です。
竜頭が根元からポッキリと折れてしまいました。
普段から鞄に入れて使われているとのことで、何処かでぶつけてしまったか、或いは荷物に挟まれて押し潰されたのでしょうか。

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折れたのは竜頭にねじ込まれている巻真という部品ですが、 僅かでも巻真が残っていれば抜くことが出来ます。しかし 根元で折れてしまうとアウト、抜けません。竜頭ごと交換になってしまいます。ですが、純正部品の入手が出来ないと、このような特殊な時計では普通は修理を断られます。
買ったお店に行って下さいと。

 

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そこで用意した材料です。
上段の左から、折れて短くなった巻真の長さを伸ばす繋ぎの巻真、ゴムのOリング、腕時計用の竜頭、直径3㍉のプラスチックの丸棒です。
下段はオリジナルの折れた巻真と竜頭です。腕時計用と比べると竜頭デカいですね~。

 

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白いプラスチックの丸棒は、適当な長さにカットして、ここのチューブの中に入ります(既に入ってます)。中で巻真が踊らないよう中心には1.0㍉の穴を開けてあります。
そしてOリングは防水性の為のチューブパッキンになります。

 

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繋ぎ巻真を足してギリギリの長さになるよう竜頭を取り付けます。
ここはピッタリに仕上げます。竜頭は殆んど振れません。
元の竜頭に比べてかなり小さいので引っ掛かる可能性も少ない筈です。

 

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形あるものいつかは壊れますけども、気をつけてお使いいただくしかないですね。
こちらの時計、オーナーさんが学生時代に留学されていたイギリスで買われた思い出深い時計なので、なんとか使えるようにして欲しいとのことで修理をお引き受けしました。
最近の時計修理専門店ではやらないでしょうね、こういう修理は。

まぁ、喜んでいただければ、わたくしもシアワセです… 。

 

作業内容 : 巻真折れ修理、竜頭合わせ、電池交換

作業料金 : 5,000円(税別)

 

 

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