TAG Heuer MONACO オーバーホール

タグホイヤー モナコ CW2113 のご修理依頼です。
竜頭が緩んで取れてしまうのと、裏蓋のネジが4本の内3本が無くなってしまったとのことです。

1年位前に他店さんにてオーバーホールをされており、その後に一度竜頭が取れて直しているとのことです。
そして今回、2度目の竜頭取れ(緩み)でした。
 
裏蓋には「28 O. H 11」の記入がありますので、平成28年11月?にオーバーホール(OH)をしているという意味でしょうか。
 
 

しかし、ケースには汚れと錆が出ています。
そしてムーブメントをケースに固定する機止め板とそのネジにも錆びが見られますが(黄色〇印)、反対側のもう一箇所分が何故か見当たりません(黄色矢印)。
更に巻真にも手が入っているようです。
時計も殆ど動かない状態で、いずれにせよ部品交換が必要なことを説明してオーバーホールでお預かりしました。
後日見積りをご連絡です。
 
 

表側はそれ程でもないようですが、ベゼルのネジに汚れと錆が出ています。
 
 

そしてプッシュボタンの内側にも、錆と汚れが溜まっています。
ここは分解しないと汚れもなかなか取り切れない部分です。
巻真は以前に折れたのか、何らかの理由で継ぎ足し状態です。
でもオーナーさん、そういう修理の記憶は無いそうですが…、
 
 

ケース、ベゼル、裏蓋、ネジ等全てを洗浄機でクリーニング、錆除去を施します。
そして裏蓋のネジ3本は別作です。
 
 

機止め板とネジは合わせを加工しています。
 
 

今回のオーバーホールで交換した部品、2番・3番車、日の裏車、日送り中間車、そして巻真です。
 
 

最終チェックを済ませ、裏蓋を閉めて完了です。
 
 

実はコチラの時計の修理をご依頼頂いたのが、昨年(平成30年)の5月でした。
裏蓋の記入から察すると、前回のオーバーホールからオーナーさんのほぼ記憶通り1、2年位は経っていたようですが、汚れ具合(汚れ方)からみて、やっていなかったようなところに問題が出てきており、また必要な部品が無かったり、或いは修理内容の説明不足だったりと、手抜きとは言いませんが、どうも前のメンテナンスでは物足りなかったのではないかと思われます。

ただ、竜頭の緩み(取れたの)は竜頭に打刻跡が有りましたので、恐らくは過去にぶつけたり当たったりして巻真が折れたのかも知れません。
それでもココは、普通は巻真交換なんですけどね。
竜頭の巻真のネジ込みが少し甘いようなので、緩み易いのかもしれません。
まぁこの先も長く使い続ける為には、もうちょっとだけ時計も労わってあげて下さいね。
 
 

作業内容 : オーバーホール、裏蓋ネジ・ 機止め板&ネジ別作、錆除去、洗浄クリーニング
交換部品 :  2番・3番車、日の裏車、日送り中間車、巻真 、パッキン類
修理費用 : 59,000円(税別)