ペアウォッチといえば、やはり何かの記念に購入したり贈られたりというのが多いかと思います。
今回のオーナーさんはご結婚のお祝いに購入されましたが、最近は使われていなくて暫くしまいっぱなしにしていたとの事ですが…。
クラシカルなエレガンスをコンセプトにデザインされたオメガ・デ・ビル。
両方共止まっています。
電池の液漏れが心配です。
また、折角の18金が変色とくすみでパッとしませんね。
革ベルトもそろそろ交換時期のようです。
幸い液漏れはしていませんでしたが、どうもメンズは回路不良のようで交換が必要です。
また竜頭が磨耗して角が削れてしまっています。
回路ブロックと竜頭は交換です。
部品がある今のうちですから…。
レディスも同じ様に竜頭が磨耗していますね。
ムーブメントはオーバーホールのみで問題なさそうです。
しかしレディスは革ベルトが完全に硬化してしまい、バネ棒は錆びてケースに固着しており普通に取り外しが出来ない状態でした。
錆びて穴に埋まったバネ棒の先端は後で削り取ります。
やはり革ベルトは交換で正解です。
ケースは洗浄クリーニングと焼け(変色)を落とします。
こちらはメンズ。
オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉めて完了です。
綺麗になった時計と一緒に革ベルトも交換すれば、時計を身に着ける時の気分もまた新鮮です。
ペアウォッチと言ったら、同一メーカー、同一モデルの同一フェイスが王道です。
しかし、ペアになっている時計の種類が少ないこともありますが、最近のペアの組み合わせは随分と範囲が広くなっているようで、まぁお二人の気持ち次第と言ってしまえばそれまでなんですが。
特に結婚祝いで揃える場合、お二人のどちらかに欲しい時計があったりして、結構奮発して購入されたりもするようですが、これからのお二人の長い人生に寄り添って時を刻み続けてくれるワケですから、それこそ一生モノになるはずです。
そんなメモリアルな時計だからこそ老舗ブランドのオーソドックスなデザインの定番ウォッチのほうが、実はいくつになっても使い続けられるのかも知れませんね。
作業内容 : オーバーホール·洗浄クリーニング(メンズ&レディス)、バネ棒残り&錆除去(レディスのみ)
交換部品 : 竜頭·パッキン類·革ベルト(メンズ&レディス)、カイロブロック·巻真(メンズのみ)
修理費用 : 92,000円(税別)