Grand Seiko 手巻きオーバーホール

グランドセイコーの手巻きです。

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メンテナンスのご依頼です。
それから竜頭をオリジナルに交換したいとのことです。

 

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グランドセイコーは、竜頭に「GS」のマークが入っているものと思っていました。
しかし色々調べてみると、このモデルにはどれも今の竜頭と同じものが付いています。
オーナーさんも以前に交換したかどうか記憶が定かではないそうで、修理に出すならオリジナルに戻したいと思われたようです。
ですが既にメーカーでは製造中止になっています。

一応メーカー純正は間違いないことを説明させていただきました。
そして竜頭はそのまま再使用することに。

もっと時間を掛けて詳しく調べれば判るかも知れませんけど…。
どなたかご存知の方いらっしゃいますかねぇ?

 

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裏蓋を開けてみるとムーブメントはきれいですが、やはり以前に修理の手が入っているようです。
裏蓋の黒マジックの部分に記されています。

 


竜頭の中とチューブの中が真っ黒です。
そして真っ黒な汚れの下には錆が出ていました。

 

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裏蓋のパッキンは既に硬化して、プラスチックのようにパキパキと折れてしまいます。
そして先程の竜頭のパッキンも同じ様に硬化しており、防水性が殆んどありません。
代替品に交換したいところですが、このままで良いと言うことです。

ホントに良いんですかねぇ…。

 

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そこで、どうせ時間も掛かっていましたので…

パッキン、造りましたよ!
思い切って。
特注品ですよ!(ちょっと大袈裟!?)
そのうちにまた修理が来るだろうからね。(多分…)

竜頭の中のカチカチに硬化したパッキン削って…。

勿論バッチリです!

 

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洗浄機で汚れを落とし錆を除去します。

 

PB107122blog
実は時計のオーナーさんのお父様は、元メーカーの方でいらっしゃいます。
勤続35年の表彰モノです。
ご立派です。

 

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オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティングして、裏蓋を閉めて完了です。

 

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古い時計は、こだわるのはホドホドにしておいた方ががいいようです。
お金も時間も掛かりますし、直す方も根気が要ります。

でも直すからには出来るだけのことはやるべきです。
適当が一番ダメです。

受け取りにいらしたオーナーさん、出来上がった時計の竜頭を巻いて思わず唸っていらっしゃいました。
違いが判ってもらえるのはウレシイですね。

いつまでも大切にお使い下さい。

 

作業内容 : オーバーホール、錆び除去

交換部品 : パッキン類、バネ棒

修理費用 : 30,000円(税別)