新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。

昨年は振り返ってみると、一気に突っ走ってきた感があります。
そして特に納期の件では、お客様に大変お待たせをしてしまい申し訳ありませんでしたの一言に尽きるかと思います。
昨年中にお渡し出来なかったお客様におかれましては、いま暫くお待ち頂けますようお願い申し上げます。

今年はなんとか納期短縮に取り組んで参りたいと思いますので、皆様も期待と温かい眼差しをもって!? ご依頼頂ければ大変有り難いです。

 

さて、本年最初のご紹介です。
カルティエ　サントス　メンズのムーンフェイスです。

この時計サントスの、よくある修理ベスト３です。

 

錆が原因で繋ぎのパイプ部分のロー付けが剥がれてしまいました。
実は一か所こうなると大抵は他も危ない可能性が高いんですね。

 

そしてコチラの時計も案の定、他の部分が錆で動かなくなっていました。
この状態で使い続けますと、錆が進行してやがて同じように最後にポキッと折れて外れてしまいます。

 

裏蓋を開けてみると、こちらも錆がしっかり出ています。

オーバーホールでお預かりです。

 

竜頭にも錆、ネジにも錆、錆びだらけです。

 

１８金張り（金ムクではありません）のベゼル裏には、緑青が…。

 

そしてケースとブレスの見えない接触部分も錆び、でしたね。

 

ここで問題が発生。
なんとパイプを取り付けているネジピンが錆び付いてネジの頭だけ取れてしまうことに！？

仕方ないので反対側からドリルで穴をあけて錆付いた部分のピンを削り取り、無事パイプの取り外しに成功。

穴の開いたコマは埋めて修正します。
そしてなんとピンにネジの頭を元に戻したら使えちゃった！？

やれば出来る！メデタシメデタシ！

 

洗浄機でクリーニング、錆び除去を施します。

 

オーバーホールの済んだムーブメント、ガラス、ベゼルを取り付けます。

固着したコマですが、一か所はスムーズになりましたが、もう一か所は直りませんでした。
無理をすれば折れてしまう危険性があります。
錆は可能な限り取り除いてありますので、このまま様子を見て頂くことにしました。

 

最後に裏蓋を閉めて完了です。

 

３本の針は、時針、分針とカレンダー針です。

実はよ～く見て頂くと判りますが、ムーンフェイスの夜空の紺色がどういう訳だか全部落ちてしまっています。

初めはとても残念に思ったのですが考えようによっては、ひょっとして世界でたった１本の時計かもしれません。

だって３６５日、毎日満月なんですから！

れ、レアモデルです！！

 

作業内容　：　オーバーホール、ブレスコマネジ抜き・ロー付け修理、錆び除去、洗浄クリーニング

修理費用　：　４５,０００円（税別）

 

　＊明日１月６日（水曜日）より営業致します。