MONDAINE Pocket Watch 水入り止まり

モンディーンのポケットウォッチです。

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ガラスの内側に水滴が…。
水入りです。

 

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水入りは時間との勝負です。
裏蓋を開けたら即、取り掛かります。

 

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素早く水滴を取り除いていきます。
そうでないとあっという間に水滴が乾いていき、水シミ跡が残ってしまう恐れがあります。
なのでここは写真撮ってる場合じゃありませんって!!

ところがこの後に問題発生です。

 

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開けた時には既にムーブメントに錆が出ていました。

通常このタイプのオーバーホールはムーブメント交換で対応します。
ところが入荷が無いとのこと。
マジで!?
困ったなぁ。
幾つかの材料屋さんでも取り扱い無しでした。

仕方がないので、錆びて交換の必要な部品と同じ部品を使っていそうなムーブメントを探して、そこから部品だけ取り出して対応することに。
そのムーブメントが…

 

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比べてみると、二回り位い小さいです。
コイルの長さも短いです。

 

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ひっくり返して裏回り(文字盤側)を見ると全然違う?

そうなんです。
見つけたのは同じメーカーのカレンダー付きの全く別物ムーブメント。

 

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交換したのはこれだけ。
共通部品で良かった…。

が、この先でまたまた問題発生!!

 

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なんと!巻真が通らない…。
参りましたね。

 

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ほぼ巻真の太さの穴しかあいていません。

 

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腕時計より大きなポケットウォッチは竜頭迄の距離が長いので、巻真が長くなる場合があります。
機械式であれば大きいムーブメントが入るのでそれ程問題にはなりませんが、クォーツ式では大きなムーブメントといってもたかが知れています。

いくら量産型ムーブメントを使っていても、絶対数の少ないポケットウォッチ用の専用補修部品は入っては来ないようです。
もしモデル専用にメーカーで造らせていれば尚更入手は困難です。

なので部品の手当てが無理な場合には拡大巻真というのを使って延長します。
ところがそれが使えない(通らない!)
繋ぎの部分が太くて入らない訳です。

 

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で、結局造っちゃいました!?
ジョイント部分をずらしただけなんですけどね。
でも言うは易しなんですよ。

 

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オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉めて完了です。

 

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文字盤はよく見ても判らない程に、殆んど跡も残りませんでした。

うまくいきましたね。
なんとかなるものです。
普通ココまではやりませんけどね。

だったら最初からメーカーに出せばいい…
いえいえ、見積りだ、スイス送りだ、文字盤・針の交換だのいっているうちに状況悪くなっちゃいますからね、スピード、スピード!
って、言ってる癖にお待たせしちゃってゴメンなさいねェ~ m(__)m

でも、殆んど諦めかけていたオーナーさん。
良かったですね。

水入りにはくれぐれもご注意を…。

 

作業内容 : オーバーホール、巻真延長加工、洗浄クリーニング

交換部品 : 内装部品多数

修理費用 : 19,000円(税別)