Bell & Ross 123B 竜頭が締まらない

ベル&ロスの自動巻きです。
動き出しても暫くすると止まってしまうのと、ねじ込み竜頭が締まらなくなってしまったようです。

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ねじ込み式の竜頭は防水防塵タイプの時計に採用されています。

この噛み合わせが上手くいかなくなると締めにくくなってきます。
そして最期には全く締まらなくなってしまいます。

大概は竜頭又はチューブの、或いは両方のネジ山が磨耗して起こります。
どちらもダメになったら交換になってしまいます。

そしてコチラの時計も全く噛み合わず、いくらやっても竜頭が飛び出したままの状態です。
よくここまで使われたものです。
チューブ、竜頭の交換はメーカー修理です。

 

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竜頭を一杯に引き、時間合わせをおこなう時の状態です。
ところがよく見てみるとどうもチューブは、ケースにロー付けされています。
交換出来ないじゃん!!

本国フランス送りか、ケース交換かも!?

修理をお断りしようと思いましたが、使えるようになればということでしたので、逆転の発想でトライです。

 

P5184218blogのコピー
巻真は汚れで真っ黒です。
オーバーホールの時期でしたね。

 

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ケース、2ピースの裏蓋、竜頭は洗浄機でクリーニングです。

 

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またバックルが外れやすいとのことで、留め金具を修正します。

 

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ブレスレットも洗浄機でクリーニングです。

 

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そして出来ました!
先程と同じ様に竜頭を一杯に引いた状態です。

押せば竜頭はケースにピッタリとつきます。
もちろん1段目でカレンダーのクイックチェンジも出来ます。
普通の時計と同じですね。

チューブが全くダメでしたが、竜頭はまだ十分使えました。
ですので竜頭を生かして、先に取り付けてある巻真を短くした訳です。
見た目は全く変わりありません。

 

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オーバーホールの済んだムーブメントをケースにセッティング、裏蓋を閉めて完了です。

 

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竜頭はオリジナルのままですので、交換した元の巻真を付ければまた元の状態に戻せますし、何時でもメーカー修理に出すことが出来ます。
でも出すか、出さないかはオーナーさん次第ですけどね…。

 

作業内容 : オーバーホール、留め金具修正

交換部品 : 巻真、パッキン類

作業料金 : 32,000円(税別)