Dubey & Schaldenbrand オーバーホール修理

1946年創業の小規模ブランド、ダービー&シャルデンブランです。独特なトノー型ケースや文字盤と、手の込んだ造りに世界中で人気を博しました。
お客様からは昨年、ゼニスのスケルトンをオーバーホールさせて頂きましたが、今年はこちらをオーバーホールです。

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中を開けて見ると、中枠 (ムーブメントとケースの隙間を埋めるメタルの枠) の、向かって左側部分に緑青が出ています。地金が腐蝕する前ならクリーニングだけでも痕は残らないでしょう。ムーブメントはETAベースですね。

 

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またブレスレットが閉まらないということですので、金具を裏から見てみると・・・・

あ~ぁ、亀裂が入ってめくれ上がっていますね。何か上から強い力が加わってロー付けが剥がれてしまったようです。

 

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まずは叩いて金具にぴったり収まる位置に戻していきます。開け閉めに問題ないようチェックします。それからロー材で隙間を埋めて表面を平らに仕上げていきます。

 

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ステンレスのロー付けは技術的に難しい作業なんです。特に時計の修理では、時計の機能、構造への理解があって、材質の特性や強度を考えながら行っていきますから、正に知識と経験と勘が物を言います。

巷ではレーザー溶接で修理をされているところもありますが、私も何度か試してみましたが時計の修理に関しては、やはり火を使うロー付けの方が強度や仕上がりの面で差があるようです。

 

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オーバーホールも終わって、ケースもクリーニングできれいスッキリ!(緑青も落ちました。)

 

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見たことあるようで、他にないこの個性的なデザインは実にインパクト大です。

 

 

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